人と竜が共存する国、アリュージア。
その国はランドール地方の北東にある山脈の奥地にひっそりと存在している。
竜と絆を育み、竜の王に認められたものが《公王》として君臨する魔法の国。
竜を祀る神殿の巫女を筆頭に、魔法使いたちは皆竜の血が流れていると信じられ、
その存在を尊ばれる場所——
そんな国を襲った不吉な病「灰銀病」。
肌は白く白く、骨は硬く関節は固まり、やがて動けなくなる死の病。
竜にも人にも襲いかかるその不治の病を癒すため、
数多の魔法使いが、アリュージアを旅立った。
面積総計:1100km2(日本の多摩地域に相当)
人口総計:30万人
建国:アリュージア(魔法文明中期)→アリュージア公国(魔法文明後期)→アリュージア竜公国(魔法文明末期)→現在
通貨:ドラク(国指定通貨)、ガメル(交易通貨)
アリュージアの歴史は古い。
元々は竜たちの住まう土地だったそこに人が入ってきたのは、魔法文明時代の後期。
竜は人との絆を育み、ドラゴン語とランドール語を混ぜ合わせた
「アルドラク語」で永遠の契りを交わした。
それは、これからも末長く、人と竜がともに歩んでいくための誓い。
その誓いは、〈大破局〉を経ても破られることなく、むしろ一層深まった。
現在、アリュージアには、首都アルドラクを中心に、
人間、エルフ、妖精、リルドラケン、そしてドラゴン族が住まう。
交易共通語のほかに、ランドール語、エルフ語、妖精語、ドラゴン語、
そしてアルドラク語が飛び交う国だ。
標高2400mの高地にあり、国民は常人よりも肺活量が多いと言われている。
また、国民は大なり小なり竜の血を引いており、
魔法使いなどはその代表と言われているが、真偽の程は定かではない。
事実、種族寿命に竜の因子による影響はないようだ。
しかし、竜王と契約を結ぶ公王は御歳250歳を超えると言われる。
アリュージアの兵士たちは皆魔法を使うか、飛竜にまたがる。
竜騎士たちは槍か、ガンを好んで使う。
PL:しば
アリュージアの公爵家、ハギング家の三男。
比較的自由な立場から学究を深め、神の奇跡に依らない癒しの術を求める。
アリュージアの神殿では竜神オロークが信奉されている。
これはアリュージアの地を代々治めてきた竜王たちの意識の集まりと解釈されている。
それを鎮め、それに仕えるのが巫女の役目。
ノイエンガルグはリルドラケンのナイトメアであり、
どういうわけか翼を持って生まれた。
こうして彼女は人と竜の絆の象徴として祭り上げられたのである。
彼女は竜を愛しており、人と竜を苦しめ、その友好の歴史に
ヒビを入れかねない「灰銀病」を憎んでいる。
〈大破局〉直後に生まれた現在の竜王。
神殿の長であり、ノイエンガルグを巫女として擁立する。
アリュージアの竜は記憶を血によって継承するため、
ヴルヴァーン自身に経験はなくとも、〈大破局〉以前の記憶を持っている。
このため、人に対する愛情は誰よりも深い。
〈大破局〉後を人とともに乗り越えてきたという矜恃もあわせて、
彼女にそのような感情を抱かせるのだろう。
アリュージアの人と竜は、堅固な絆で結ばれている。
ランドール語とドラゴン語が混ざり合った言葉。会話、読文が習得可能。
竜神オロークを祀る神殿、オローク教は、アリュージアの国教である。
小神の扱いだが、ドラゴン族にとっては先祖であり、
絶対の源であり、価値観そのものなのである。